2023.1.25

【ヴィクトワール広島】新体制始動 合宿での様子は?!

プロ自転車ロードレースチーム・ヴィクトワール広島が、1月10日(火)〜15日(日)に合宿を行いました。外国人選手はまだ来日前で不参加だったものの、2023年シーズンを共に戦う新体制のチームがいよいよ本格始動しました。

アジアツアー出場者選考合宿

合宿では、今季初めてレースを行う佐木島(三原市)のほか、広島県緑化センター(広島市東区)や県北の加計(山県郡安芸太田町)方面などアップダウンのあるコースで練習を行いました。

チームカラーであるオレンジ色のキットを身につけ、合宿に臨む選手たち(先頭は久保田悠介選手)

中山卓士監督によれば、今回の合宿は「アジアツアーのメンバー選考がテーマのひとつ」だったそうです。

「アジアツアーは(1チームから)参加できるのが5人なんです。強豪外国人選手3人を出場させるとすると、残りは2人。阿曽(圭佑キャプテン)もいるので、もう1人を誰にするかという選考をしたいという狙いがありました」

6日間の合宿を経て、「まだ決まってはいないものの、絞られてきた」という出場メンバー候補は、今季から新加入の中田拓也選手と、チーム2年目の久保田悠介選手の2名。

中田選手は国内トップクラスの名門チーム・シマノレーシングに4年間在籍し、国際レースでの経験も豊富なプロ6年目。久保田選手は、自転車競技歴3年半とキャリアが短いものの、昨シーズンは広島クリテリウム7位と結果を残し、秋吉台カルストロードレースでは敢闘賞にも輝くなど、勢いがあります。

「久保田は昨年の実績もあり、現状もよく走れていますが、経験値がない。中田は選手としての経験値が魅力で、エースを勝利に導くアシストとしての仕事も期待できる。あとは、練習中に阿曽と私の信頼を勝ち取れた方がメンバーとして選ばれることになると思います」

引き締まった表情で先頭を走る中田拓也選手(風の抵抗が大きいため定期的に先頭交代しながら練習します)

キャプテン・阿曽圭佑選手も、悩ましい胸の内を明かしてくれました。

「中田は少し前に怪我をしたこともあり、今年はシーズンを通して走ってもらいたいから(今回のアジアツアーは)パスしようと思っていたけれど、(3月のツール・ド・台湾が初戦になるなら時間的にも余裕があるので)走って欲しいなという気持ちもあります。久保田も、去年から頑張ってくれていて今年はもう一段階経験を積んでほしい気持ちもあるので、2人とも出てほしい。難しい選択です」

念願の海外進出を目前に控えて

現在、2月のジャラジャ・マレーシア (2月26日〜3月2日)が調整中で、3月のツール・ド・台湾(3月12日〜16日)には出場が確定しているというヴィクトワール広島。

チームが初めてUCI(国際自転車競技連合)コンチネンタルチームとして登録したのは2020年。不運にもちょうど新型ウイルスのパンデミックに見舞われ、ここまで海外進出を果たせずにいましたが、ついに念願のアジアツアー出場が叶います。

海外レースで上位に入り「UCIポイント」を獲得すれば、日本国内でのUCI国際レースであるTOJ(ツアー・オブ・ジャパン)やツール・ド・北海道などへの出場権も得られる可能性が高まります。

「まずは台湾でしっかり走って、国内でのUCIレースにすべて出られるようにしたい」

中山監督の言葉にも力がこもります。

レースに向けて充実したトレーニングができているという阿曽圭佑選手(先頭)

選手たちも、例年であれば4月頃からシーズンインするところ、今年は国内ツアー開幕前にUCIアジアツアーに参戦するため前倒しでレースに向けた準備を始めています。その成果か、日本人エース・阿曽選手の状態は咋シーズンより良さそうです。

「そうだと信じたいです(笑)。昨年12月から乗り込んで、1月からは強度を上げてレースに向けた準備をしてきた中での合宿だったので、コンディションや体のフィーリングの良さは感じました。体も絞れているし、チームに入った時からお世話になっているマッサーにも『去年の同じ時期より良い』と言われています」

国際レースでポイントを稼ぎ、阿曽選手をオリンピック代表に押し上げること、国内プロリーグ・JCLで年間チームランキングトップになることを今季の目標に掲げるヴィクトワール広島。初の海外進出、その後の国内リーグ開幕に向けてギアを上げつつあるチームを応援し、ともに盛り上がっていきましょう!

◆ヴィクトワール広島 公式ウェブサイト→https://victoirehiroshima.com

取材・筆者:きたのまゆみ
【プロフィール】
ライター、東京都荒川区出身
在京中はスポーツを主なフィールドに、雑誌、新聞やウェブなどで取材・記事執筆。
広島移住後は、約2年間にわたりヴィクトワール広島のチーム運営スタッフとして企画広報を担当。現在は、タウン情報誌やウェブを中心に活動中。

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