2023.4.12

【ヴィクトワール広島】第2回ヴィクトワールサイクルカップが開催されました

4月2日(日)、広島空港に隣接する中央森林公園(三原市)で「第2回ヴィクトワールサイクルカップ」が開催されました。昨年4月に沼田自動車学校(広島市)で行われた第1回に次ぐ開催で、小学生から大人まで50名のサイクリストが集まりました。

誰でも参加できるレース

「自転車を買ったけど目的を持てていない人、レースをしてみたい人って、けっこう多いんですよ。ガチな競技人口を増やすことも大事ですが、初めての人たちにもレースに触れ合ってもらう機会を作りたくて」(中山卓士監督)という想いが発端のヴィクトワールサイクルカップ。「年齢・性別問わず、誰でも気軽に、安心して参加できるレース」というコンセプトのもと、キッズ(小1〜3年生)、キッズ(小4〜6年生)、初心者、女子、V3、V2、V1という7つのカテゴリーでレースが行われました。

▲スタートラインにつく選手たち

出場選手はそれぞれ自転車に計測用のチップを取り付け、スタート・ゴール地点にはプロのレースにも帯同する計測スタッフが機材とともにスタンバイ。広島県自転車連盟の皆さんが審判を務め、選手に伴走する審判バイクからの無線連絡が随時本部テントに入るなど、プロの大会さながらの本格的な雰囲気でした。

会場の中央森林公園には、プロの大会や全日本選手権ほか重要なレースがたくさん開催される自転車競技の聖地とも言えるサイクリングコース(1周12.3km)がありますが、今回は、1周2.7kmの「ファミリーコース」を使用しました。スタート・ゴール地点の付近では、出場選手の家族をはじめたくさんの人が観戦。選手も応援する人たちも皆さん笑顔で、楽しそうなのが印象的でした。

一方、レース後に悔し涙を流す選手や、仲間に向けて「イケるよ!諦めんなよ!!」と檄を飛ばす観客の姿も見られ、本気度がうかがえる場面も。

スタートラインではお互いに「よろしくお願いします」と笑顔で挨拶を交わしつつ、コース上では真剣勝負を展開する姿にはスポーツマンシップが感じられ、初夏の陽気と相まって、爽快な気分にさせてもらいました。

会場近くではキックバイク教室も同時開催。集まったちびっ子たちは、中山監督と宮﨑健太選手による交通安全のレクチャーを聞いた後、キックバイクを体験していました。

レースを終えて

5名が出場したキッズ(小1〜3年生)は、前回優勝の船岡浬(ふなおか・かいり)くん(新2年生)がぶっちぎりV。2位の永尾明寛くん(新3年生)も「1位の子が速かった。毎回勝てない」と脱帽するほどでした。

低学年より1周多い2周で競われたキッズ(小4〜6年生)で優勝したのは、2周目途中から先頭を死守した宇山大貴くん。準優勝の永尾郁寛くんは「途中までついていけてたけど、最後ちょっと疲れて置いて行かれて…」と振り返り、ローラー台レッスンのコーチである中村圭佑選手の前で「悔しいです」と涙。中村コーチからは「ムダ脚を使いすぎ。踏まんでいいとこで踏んでたじゃん」と厳しいアドバイスを受けていました。「ヴィクトワールに入りたい」という夢に向けて、これからも週3回の練習を続けていくそうです。

自身初のレース挑戦となった女子の部・吉川とよ子さんは、レース前こそ「緊張する」と表情をこわばらせていましたが、2位でゴールした後は「無我夢中でした。諦めずに前に人について行けたので、自分を褒めたいです」と笑顔。昨夏から通い始めたローラー台レッスンの効果は絶大だそうで「(レッスンを)受けていなかったら(このレースに)出なかったし、頑張ろうって思えなかったと思います。6月にあるヒルクライムに出るので、そこに向けてまた強くなりたい」と意気込んでいました。

午後からのV3、V2、V1は、それぞれ時速36kmを超えるスピードで展開するハイレベルな攻防となりました。

▲スタートラインにつくV3、V2、V1(上から)の選手たち

ヴィクトワールサイクルカップではトップカテゴリーとなるV1は、エントリーした4名とヴィクトワール広島の選手・監督によるレース。序盤から全開で飛ばしたレオネル・キンテロ選手と中村選手が、後続をどんどん引き離していきます。解説役を務めた久保田悠介選手が「かなりガチで踏んでますね」と苦笑するほどで、観客の間からは通り過ぎるたびに「はやっ!」「速ぇーな!!」と驚きの声が上がっていました。

その2人に次いで3番目にゴールした、V1クラス優勝者は、この春から高校に入学したばかりの中村春太くん。ローラー台レッスンで指導を受けている久保田選手のアドバイスを生かしたことを勝因に挙げ、「将来はヴィクトワール広島で走りたい。(林)伶音くんみたいに高3でスカウト受けるのが目標です」と夢を語ってくれました。コーチの久保田選手も、チーム加入の可能性について「今日の走りは良かったので」と太鼓判。教え子の快走に満足げでした。


▲V3・2・1(上から)表彰式

第3回開催、そしてさらなるイベント強化へ

閉会に寄せて、参加者や審判、計測、救護のスタッフ、チームスタッフとボランティア、会場を提供してくれた中央森林公園に謝辞を述べた中山監督は、第2回サイクルカップを「大成功」とし、第3回以降も継続して開催することを公言しました。

出場選手、審判やボランティアを含めた全スタッフが三原の「三」ポーズで記念写真

「今、チームはJCL(ジャパンサイクルリーグ)ランキング1位です。私たちはプロのチームですが、それだけでなく、自転車を介した町づくりというか、地域活性化の役に立てればと思って活動しています。今後はさらにイベントを強化して、そういう面でも『広島は強い』というのを見せたい。2025年7月に(現在改修工事中の)広島競輪場が再開したら、その一角へチームの事務所を移すことが決まっています。そちらでもイベントほか様々な取り組みをしていきたいし、より広島で自転車文化を創造できるチームになっていきたいと思っています」

プロ自転車ロードレースチームとして国内外のレースで奮闘する傍ら、サイクリングイベントやレッスン事業、交通安全などの啓発活動にも力を入れているヴィクトワール広島。コアなサイクリストでなくても参加できるイベントやレッスンもあるので、みなさん要チェックです!
☆ヴィクトワール広島HP→https://victoirehiroshima.com

取材・執筆:きたのまゆみ
【プロフィール】
ライター、東京都荒川区出身
在京中はスポーツを主なフィールドに、雑誌、新聞やウェブなどで取材・記事執筆。
広島移住後は、約2年間にわたりヴィクトワール広島のチーム運営スタッフとして企画広報を担当。現在は、タウン情報誌やウェブを中心に活動中。

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