2023.7.3

【ヴィクトワール広島】悲願の地元Vへ!まもなくJCL広島大会

プロ自転車ロードレースチーム・ヴィクトワール広島がホストチームとして参加する「三菱地所JCLプロロードレースツアー2023 広島大会」が、目前に近づいてきた。

7月8日(土)には三原市・佐木島で「山陽建設佐木島ロードレース」が、翌9日(日)には広島市西区・商工センターで「広島トヨタ広島クリテリウム」が行われる。

大会に先駆けて、6月上旬、三原市内および広島市内で記者会見が開かれた。

史上最強の布陣で悲願の地元Vへ

広島市内での会見に出席したのは、大会を統括するJCL(ジャパンサイクルリーグ)チェアマンで元F1レーサーの片山右京氏、ヴィクトワール広島から中山卓士監督と久保田悠介選手、広島クリテリウムの冠スポンサーである広島トヨタ自動車株式会社・代表取締役社長の藤井一裕氏、広島県自転車競技連盟・事務局長の伊藤靖夫氏の5名。記者席には、地元テレビ局や新聞社などから多くの記者や取材クルーが詰めかけた。

 左から久保田選手、中山監督、片山チェアマン、藤井社長、伊藤氏

「地元優勝を目指します」

会見で、中山監督は高らかに宣言した。
ただ、ここまでは例年通りのことである。違うのは、チームの現状と、監督自身にみなぎる自信だ。

チームは5月、国内屈指の規模を誇る国際レース・TOJ(ツアーオブジャパン)を総合2位で終え、シーズン開幕前から謳っている「史上最強の布陣」が単なるキャッチフレーズではないことを証明してみせた。

「日本トップと言っていいくらい強いチームになりました。これまで、地元では表彰台にも乗っていませんが、今年は8日も9日も優勝しようと狙っています」

今大会への意気込みを熱く語る中山監督

その言葉を受け、「今までは『勝てそう』と聞いても『どうせ勝てんだろう』と思っていた」と本音を明かして記者たちの笑いを誘った広島トヨタ・藤井社長も、「今年は本気で勝てそうだと期待しています」と高揚感を口にした。

広島大会の魅力

8日の佐木島ロードレースは、JCLリーグで初めての離島開催で、佐木島のメイン道路を交通規制して行われる。アップダウンのある島の外周10.5kmを10周する105kmのレースだ。

9日の広島クリテリウムは、大型ショッピング施設や卸売市場からすぐの道路に1周1.7kmの特設コースを設け、30周51kmのレースを行う。

いずれも観戦は無料。コースが広範囲に及ぶため、スタート・ゴール付近は混雑するものの、場所を選べば沿道とレースコースを隔てる規制線に張り付きで観戦できる。選手との距離が近く、チェーンの擦れる音やギアをチェンジするカシャンカシャンという軽い音、コーナーでのブレーキ音のほか、選手の声も聞こえて臨場感は抜群だ。

当然、観客の声援も、ダイレクトに選手へ届く。応援をリードするホームDJの掛け声に合わせ、会場で無料配布されるハリセンを叩いて選手たちを鼓舞しよう。

会見で、レースを楽しむポイントとして中山監督が一番に挙げたのは「スピード感」。

選手たちは、平均時速約40kmという自転車とは思えない速さで観客の目の前を過ぎる。特に、短い周回コースを使用する広島クリテリウムは、数分おきに何度も選手の大集団が通るため、ワクワクドキドキが止まらない。

また、会場ではオリジナルビールの販売をはじめとする飲食ブースの出店もあり、三原・やっさ踊りや和太鼓、ポリネシアンダンスなどバラエティに富んだステージパフォーマンスも。レース以外も「お祭り気分で」(中山監督談)楽しめる2日間になりそうだ。

歴史を塗り替える大会に

佐木島でのレース開催に向け、早い段階から準備に加わってきた片山チェアマンは、その意義と意気込みを語った。

「コンセプトは『街をスタジアムにする』。空港(=昨年大会までの会場である中央森林公園)には長くお世話になってきましたが、シティプロモーションや地域創生に(自転車を)より役立てたいと、離島で開催することになりました。広島クリテリウムは少しずつ盛り上がってきているし、ツール・ド・フランスのようになるまでには時間がかかるかもしれませんが、三原での大会もクリテリウムも、たくさんの人の力を借りてさらにパワーアップしていきたいです」

大会とホストチーム・ヴィクトワール広島について語る片山チェアマン

さらに、ヴィクトワール広島について「強くなり、海外でも活躍してより多くの注目を集めていて、ポテンシャルを感じています」と、地元Vで大会を盛り上げることへの期待をのぞかせた。

これまでヴィクトワール広島は、広島大会での最高位は2019年の広島ロードレース4位。広島クリテリウムでは、昨年大会での久保田悠介選手の7位が最高だ。その久保田選手も、悲願の地元優勝への強い思いを口にした。

「チームの結束力も高まってきています。この流れで2日連続優勝してやろうと、本気で思っています」

チーム内最高位の7位でゴールし、観客の声援に応える久保田選手(2022年・広島クリテリウムにて)

JCLリーグ参戦の7チームに実業団チーム、海外チームを加えた9チームが出場を予定しているJCL広島大会。チーム発足9年目のヴィクトワール広島は、ついに今年、地元ファンの見守る前で歓喜の優勝を果たせるのか。歴史的瞬間を、ぜひ会場で見届けよう。
☆JCL広島大会2023公式ウェブサイト→https://hiroshima-roadrace.com/2023/
☆ヴィクトワール広島公式ウェブサイト→https://victoirehiroshima.com

取材・執筆:きたのまゆみ
【プロフィール】
ライター、東京都荒川区出身
在京中はスポーツを主なフィールドに、雑誌、新聞やウェブなどで取材・記事執筆。
広島移住後は、約2年間にわたりヴィクトワール広島のチーム運営スタッフとして企画広報を担当。現在は、タウン情報誌やウェブを中心に活動中。

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